日本企業に大人気のベトナム。中国に進出していたオフショア企業は、人件費の高騰に耐え切れず、ニアショア(日本の人件費の安い地域)に避難したり、さらに人件費の安い国に進出しています。
もちろん、まだ中国の東海岸で踏ん張っている企業もありますが、人件費は日本人エンジニアと遜色が無いレベルまできているのでコストメリットはありません。ちょっとオーバーかもしれませんが・・・。
そのような背景があり、中国に変わる新たな候補が数カ国あります。
ベトナム、フィリピン、インド。
なぜ、ベトナムがオフショア開発に向いているのか

- ベトナム人のITエンジニアとオフショア開発
- ベトナム人の国民気質(学習意欲の高さ)
- ベトナム人の対日感情
- 物理的な距離
- 日本人管理スタッフ(PM、ブリッジSE)の安全と生活環境
ベトナム人のITエンジニアとオフショア開発
日本のオフショア開発のオフィスで働くエンジニアは、ITを大学で専攻していた人達ばかりです。しかし、新卒は戦力になりません。日本の新卒と同じで、広く浅くITの知識はあるのですが、実務レベルには到達していません。
よくベトナムでオフショア開発をしている企業はベトナムの大学教育を褒めていますが、それはポジショントークです。もしくは、エンジニアとして、ベトナム人と接していないのかもしれません。新卒エンジニアは、技術的な知識と日本的な仕事のやり方を教える必要があります。
とにかく、新人は時間がかかる。
また、経営的な視点からみると仕事のできるエンジニアは給与が高いというトレードオフは常にあります。それなら、「社内教育でできるエンジニアを育てる」という理想を追求するのが日系企業。しかし、社内教育と実践で育てたデキるエンジニアは、「給与が安い」と文句を言い出すまでがセットですね。
ベトナム人の国民気質(学習意欲の高さ)
ベトナム人は根性があります。物静かで礼儀正しく、輪を乱す行為を嫌います。すごく日本人と近い気質を持っています。日本人より真面目で学習意欲が高いのが特徴です。
仕事が終わった後に、大学に通ったり習い事をするのは珍しくありません。なぜ、そこまで頑張るのかというと「お金」です。お金への執着。給与をアップのために頑張ることができる。仕事でも自分のスキルアップに余念がありません。システムエンジニアやプログラマーは新しいことが大好きです。スキルアップ=給与アップだからです。
日本の場合、「働きやすさ」や「やり甲斐」といった給与以外の部分を追いかけることができますが、ベトナム人は、純粋にお金(スキル)を追いかけています。ここは中国人エンジニアに近いイメージです。
物理的な距離
成田からホーチミンまで6時間、時差はたったの2時間です。ちょっと出張で2〜3日のスケジュールでベトナムに行くことだって十分に可能な距離。賃金格差だけに目を向けている方もいますが、物理的な距離は管理する上でとても重要です。
ベトナム人の対日感情
ベトナム人の対日感情は良好です。日本製品や日本文化に憧れを持っている人も多く、日本のアニメやサッカー選手もよく知っています。
とくにサッカーの人気はすさまじいものがあり、ベトナム代表やプレミアリーグ(マンチェスターユナイテッド、アーセナル、チェルシー)が人気です。また、日本人のサッカー選手にも詳しい人がたくさんいます。
日本人管理スタッフ(PM、ブリッジSE)の安全と生活環境
ベトナムがオフショア開発の拠点になっていることは、日本人スタッフの暮らしやさも大きな要素となっています。
ハノイやホーチミンで危険なエリアはないとは言い切れませんが、私の基準だと日本と比べて大差ありません。スリは若干多い。ベトナム料理は日本人の口に合うので、食事に困ることはありません。ただ問題は、ベトナム人も日本人と同じで英語が苦手なところですね。
ネガティブなことは、言葉の壁をどう乗り越えるのかだけです。
ブリッジSEの職場は海外にある開発拠点の管理です。企業は大々的に募集できない人員になるので、非公開求人としてエージェントが握っています。
ブリッジSEの求人・転職エージェント一覧
ブリッジSEの求人が見つからない理由と解決策
以上、「ベトナムのIT事情とブリッジSE」でした。