ブリッジSEと呼ばれるエンジニアは、一般的にオフショア開発で日本と海外の橋渡しをする役割を担う人のことです。また、日本にいるエンジニアが海外とのプロジェクトをマネジメントしている場合もブリッジSEと呼ぶこともありあます。
近年、開発コスト削減のため、海外に開発拠点を移す企業が増えていることから人材不足が深刻となっています。それでは、もう少し踏み込んだブリッジSEの業務内容をみていきましょう。

- ブリッジSEの仕事内容と役割
- ブリッジSEのタイプは様々
- 仕事の発注元は誰なのか
- 日本人はマゾであることを自覚するべき
- 日本人ブリッジSEのタイプと特徴
- とにかく、口酸っぱく事細かに指示を出さないと何も伝わらない件について
ブリッジSEの仕事内容と役割
業務内容はプロジェクトマネージャと同じです。日本のプロジェクトマネージャと違うところは、外国人エンジニアをマネジメントしながら日本の仕事をこなすトコロです。
外国人エンジニアと日本のエンジニアの違いです。そこには文化や言葉の壁があり、一筋縄ではいかないことも多いです。大変。だからこそ手に入る充実感がありますよ。
ブリッジSEのタイプは様々
業務システムを請け負っている会社やWEB系、ゲーム系など、様々なタイプのブリッジSEが世界との橋渡しをしています。
日系企業の駐在員でオフィスのなかに日本人はひとりだけのこともあります。たった一人の日本人です。現地人スタッフに囲まれながら日本の仕事をこなしていきます。その場合、ブリッジSEとCEOを兼任していることもあります。超絶マルチタスクです。
発展途上国で仕事をするメリットは開発コストを下げることです。プロジェクトメンバーの大半が日本人であれば、わざわざ海外に拠点をつくる必要はありません。業務の大半をいかに外国人のエンジニアにやってもらうのかが勝負の分かれ目です。ブリッジSEは、孤軍奮闘しながら海外の地で仕事をしているワケです。
一般的に現地人エンジニア10〜30人ぐらいに対してひとりの日本人ブリッジSEがいることが多いように思います。日本人ブリッジSEの下には現地人エンジニアをまとめる現地のリーダーがいます。
- ブリッジSE → リーダー(現地人)→ エンジニア(現地人)
仕事の発注元は誰なのか
海外でブリッジSEとして仕事をする場合、仕事の発注元には2つのタイプがありあます。日本の本社の仕事をこなすタイプ。社外のプロジェクトをこなすタイプ。
- 社内案件(日本の本社)
- 社外案件(日本のどこかの企業)
どちらのタイプの発注元も日本のクオリティーを求めている
顧客は日本の品質を求めています。オフショアで安いので手加減してくれる顧客はいません。とりあえずシステムが動けばいいと考えている顧客はいません。日本の顧客は日本の品質を求めています。発展途上国のエンジニアに顧客が納得するクオリティを提供するためにブリッジSEは悪戦苦闘しています。
日本人はマゾであることを自覚するべき
日本人エンジニアは何も言わなくても仕事をしてくれます。放っていおいても仕事のクオリティを保つために残業してくれます。嫌なことも言わなくてもしてくれる気遣い。ありがたいですね。日本人のデフォルト設定でマゾが入っていることを認識しましょう。
しかし、外国人エンジニアを放っておくとホントに何もしてくれません。業務範囲を明確に定めすることが必要です。
日本人ブリッジSEのタイプについて
どんなタイプのプリッジSEが海外で活躍しているのでしょうか? 大まかに分類すると以下のようになります。
- 外国人エンジニアを締め付けて、日本式を教えこむ軍人タイプ
- コミュニケーションを密に取ることでジワジワと日本式を教えていく仮想父さんタイプ
- 俺の背中をみろ的な理想主義者タイプ
- 日本式を捨ててしまった現地原理主義者タイプ
軍人タイプの特徴
軍人タイプはコンプライアンスが好きです。ファイアウォールでオフィスのネットワークをガチガチにかためる派。もちろんfacebookや他のSNSには接続できない。ファイアウォールに自分専用の穴を開けているが、それは秘密にしている。
現地スタッフの評判はすこぶる悪いが気にしない。たまに優しく接することで現地人からの評判はうなぎ登りに上昇することを知っている。しかし、効果は一時的です。
仮想父さんタイプの特徴
普通の日本人。性格的にあまりキツイことを言えないから優しい父親のような存在になってしまう。もし、いつまで経っても現地人が日本式の仕事を覚えてくれないのであれば、あなたは以下の理想主義タイプかもしれない。
仮想父さんタイプは、現地スタッフからの評判はよいが定期的に威厳のあることをしないとモラルが保てない弱点を持っている。子どもたちの反抗期はすぐそこだ。
理想主義タイプ
語学力に乏しく口下手なので行動で伝えようとするタイプ。俺の仕事ぶりを見ていれば、何も言わなくても現地人はついてきてくれる。俺の背中をみろと考えているが現実的に誰も見ていない悲しい状況。
しかも、その現実に気づけないのが理想主義者たる所以だ。管理職の立場なのに、現地のエンジニアよりコードを書いてしまうのもこのタイプの特徴。おんぶに抱っこの状況で現地スタッフから好まれるが面倒な仕事をすべて引き受けることになります。プロジェクトが大きくなると破錠します。
現地原理主義者タイプ
本社の考えに反し、現地人化してしまったブリッジSE。案件は極力断ることが正義。仕事をしないことに一生懸命だが本社へのアピール能力は高い。その能力の10分の1でもブリッジSEとしての仕事をしてもらいたいのだが、もちろん、その声は届かない。
どこか達観した世界を持っている人達。村上春樹的な世界観で「結局のところさぁ。なるようにしかならないよ。」こんな感じでしょうか。
とにかく、口酸っぱく事細かに指示を出さないと何も伝わらない件について
ブリッジSEにとって重要な事は、現地のエンジニアにいかに上手に指示をだすのかです。現地のエンジニアの技術レベルを考慮するのは当然のことですが、はっきりとした指示をださないといけません。日本的な抽象度の高い指示だと理解してくれません。毎日毎日、口酸っぱく事細かに指示することで、日本的な仕事やあなた自身を理解してもらう必要があります。

なぜブリッジSEの求人が見つからないのか
ブリッジSEに挑戦したい方は自分ひとりで就活するのはやめましょう。リスキーです。複数の転職エージェントと話をしてみることをおすすめします。
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